海外で働く

フィリピンがタイに追いつけない理由、、

こんにちは。
これからはフィリピンがくる、と言われることがあります。

現時点ではタイ、マレーシアに遅れを取っているフィリピンですが
タイ・マレーシアの出生率は既に2.0を切り、今後は人口減少傾向が顕著です。

対して、カトリックの多いフィリピンは避妊・中絶が基本ないので、人口は1億を超えた後もまだまだ増加していくでしょう。

加えてなにより、彼の国には英語力というアドバンテージがあります。

人口は一億は超えてまだまだ増え続け、多くの国民が英語を話すのですから
これから一気にくるっていうのも満更でもありません。

そういえば、2ヶ月程前に初めてマニラに行ってきました。
非常に活気があって、20年前のバンコクに似た雰囲気があります。

バンコクを超える渋滞には呆れましたが、街の到るところで工事を行っていて
これからどんどんと発展していくのを感じました。

しかし、「あれっ?」 と思うこともありました。

「フィリピン人って、全員が英語を上手く喋れるわけじゃないんだ、、」

なんとなく、フィリピン人といえば皆英語が上手いという考えをもっていたので意外でした。

普段の会話では、みな英語ではなく現地語のタガログ語を使っています。

公共の場では英語、それ以外はタガログ語で使い分けているようです。

スタバとかスーパーマーケットなどへ行くと店員は英語を使います。

タクシーの運ちゃんは殆ど英語のラジオを聞き
現地人向けのモールで売ってる本は全て英語のペーパーバックでした。

街中の表記は全て英語で書かれていて
タガログ語で併記されたものは殆ど見ませんでした。

タイ語が唯一の公用語であるタイとは全く異なり
完全に現地語のタガログ語は2級言語という扱いをされていることに驚きました。

この時、なんとなく感じた違和感は、最近「英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる」という本を読んで戦慄に変わりました。
フィリピンの問題の本質が少し分かった気がします。

このような方に読んで頂きたい

・東南アジアでの就職に興味がある人

・どの国で働くのがいいのか迷っている人

・フィリピン経済の将来について関心がある

なぜタイは経済発展できたのか

実は、タイは最初は「まあ他よりはマシ、、」という消去法で東南アジアの生産拠点に選ばれ
その後も、なんとなくラッキーで成り上がった感は否めません。

しかし、東南アジアでは比較的安定した民主的政治体制を築きあげ
その幸運を掴んで、放さなかったのは紛れもないタイの実力です。

単一民族に近く、多言語国家のように英語を使う必要がなく
また、民族のシンボルとなる王政が高い指導力を持っていたことも成功の要因でした。

英語公用語は愚民化政策か

フィリピン人も全員が英語が上手いわけではありません。
かなりの個人差があります。

理由としては
比国では英語を第一外国語として、小学校から国語以外は英語で全てを学んでいますが
4人に1人は学校について行けずドロップアウトしています。

また、そもそも数百の島から成り立っている国なので
マニラなど大都市のある本島と小さな島々では大きな教育格差が存在します

いずれにしても、フィリピンという国で英語が不得手という現実は非常に重い。

そんな人達はフィリピン社会の底辺です。
フィリピンの公文書は全て英語表記のみですので
そもそも社会に参加できないのです。

「英語化は愚民化 日本の国力が地に落ちる」より、抜粋。

複雑なビジネスを行う際には、「現地語」では足りず、英語などの宗主国がもたらした言語を使わざるを得ない。さらに、教育の場でも同様の事態が起きる。語彙の不足や文法の未整備のため、「現地語」ではどうしても十分に議論したり、記録したりすることが難しい。それゆえ、「現地語」は、初等・中等教育ではどうにか用いることが可能だとしても、大学などの高等教育の場で使うには無理がある。

(中略)

国の制度が英語で運営され、政治・経済に関する知的な議論が英語でなされるようになってしまえば、国民の大多数は、天下国家の重要問題の議論からまったく切り離されてしまう。

(中略)

英語の公用語化が社会を分断し、格差を固定するという問題だ。
国の重要問題から庶民を切り離すこととなるだけでなく、英語が話せるか否かが経済格差につながり、豊かな国民と貧しい国民との間の断絶を生む。

(中略)

英領インドを見よ。英語を話すインド人と、インドの言葉を話すインド人との間には、「共通の思想も感情も存在しない」。母国語による共通の国民教育を実施する方法をとらない限り、インドで見られるような国民の一体感の欠如は日本でも必ず生じるであろう。

タイでも庶民と富裕層の格差はひらく一方です

財閥は強大なチカラを持って政治と結びついています。

しかし、タイには中間層が生まれています。

英語力とマネージング力、ビジネス力は全く別という考えがあるので
全く英語を解さなくても能力があればのし上がって、マネージャー、経営者になることができます。

英語が必要なら別に通訳を雇えばいいでしょ、と彼らは言います。

タイは日本にはなれないが、ひょっとしたら韓国レベルまでは行けるかもしれないという希望があります。

残念ながら、フィリピンはだいぶ違います

英語が不得手なフィリピン人は、英語を用いるフィリピン人に対してどういった感情を持つでしょう。

それは、おそらくは敵意にも似たコンプレックスです。

その先に待っているものは国民の分断です。

英語能力と経済発展は関係ないとはいえません。

外国人が仕事しやすい環境は間違いなくフィリピンです。

でも、国として発展したのはタイでした。

英語が不得手でも、国として纏まっている、体をなしていることが如何に大切かということです。

多言語国家とは、かのように難しいものですね。

ABOUT ME
でこ
バンコク在住15年。